
焙煎工房 本池とは
私たちの工房は、2000年に開業をし、
2001年よりディードリッヒ焙煎機を使用して自家焙煎を行い続けています。
イタリアンバリスタから、スペシャルティーコーヒーへ移行していき、
現在はノルディックローストから伝統的Japanスタイルの深焙まで幅広く手作りしております。
また、店舗立上げ、コーヒーセミナー、商品開発など、
様々なコーヒーに関するアクションをしていくなかで自分たちの技術を磨き、
経験を元にした未来へ向かって永続的なコーヒーファクトリーを目指しています。
焙煎工房 本池
コーヒーのこだわり
カップ1杯の幸せをつくるために、
原料となるコーヒー豆の選定から焙煎、抽出、テイスティングなど、
多くの工程を確かな手順で丁寧にクリアしています。

素材を確かめる
サンプルロースティングSample Roasting
新しい生豆が届いたり、これから使ってみたい品種など、
サンプルローストをして品質をチェックします。
同時にどのような焙煎度合いが良いかを検討していきます。
IKAWAproを使用し、色々な焙煎方法をためしていきます。
基本は7:00前後で焙煎を行い、カッピングを行います。
当工房では、2007年に本池がカッピングジャッジになったことを基準に、
SCAAカッピングプロトコルを使用します。
スペシャルティー基準になっているかどうか?
それ以外であっても面白い味になるかどうか?
アイデアと経験により実際のプロダクションとして仕入、商品化を行っていきます。
美味しさを探す
プロダクションロースティングProduction Roasting
2001年より、蓄熱性に優れたアメリカ製ディードリッヒ焙煎機を使用しています。
以前は手書きのプロダクションシートだったものを、2015年よりPCを使用した管理に変更致しました。
現在は、Cropsterによるローストレコードだけではなく、プロダクション管理全体を行っています。記録をとるだけであれば以前のシステムでもよかったのですが、生豆管理、プロファイル管理・検討、品質管理(カッピング等)、そして複数人で共有することができるため、クロップスタが活躍しています。
焙煎は、浅煎りと言われるアグトロン値70前後のものから、深煎りと言われる35前後まで幅広く行います。
コーヒーは嗜好品であり、深い焙煎がもたらすスモーキーで焦げたような味わいにより読書が進む人もいれば、浅煎りの素晴らしいフレーバーがたまらない朝の一杯の人もいます。
色々な嗜好に対応するには、焙煎だけではなく、焙煎違いの豆をブレンド(混ぜる)ことで楽しい味になったり、違う種類の豆を混ぜ合わせる(ブレンド)ことで新しい発見をもたらせてくれます。
また、我々は「抽出」による味の違いがあることを知っています。
つまり焙煎が完成ではないのです。


味わいを決める
アグトロン値&重量計量Agtron Check &
Weight Check
その昔、私たちのような小さなコーヒー焙煎工房では、色、香り、淹れてみてなど、
焙煎度合いを測る方法は感応的なものに頼っていました。
また、焙煎時間、焙煎の完了温度など、記録だけをもとに判断をしていました。
しかし、2015年ごろからはアグトロン値を計測の基準として焙煎度合いのチェックを行っています。アグトロン社が定める光の反射による計測値は、SCAの基準として世界の焙煎度合いについての合い言葉となります。
私たちは、通常3回~5回の計測での平均値を豆の外側の色として計測し、粉にしたものは1回ないし2回の平均値を記録していきます。
この数値もクロップスターの焙煎記録の中に記載していくことで、チーム全体で共有することができます。
91~100ライトロースト Extreamly Light
81~90シナモンロースト Very Light
71~80ミディアムロース Light
61~70ハイロースト Medium Light
51~60シティーロースト Medium
41~50フルシティーロースト Medium Dark
31~40フレンチロースト Dark
仕上がりを確かめる
抽出・TDSチェックTaste cupping & TDS
コーヒー豆はその焙煎時間と度合いにより、すぐに飲む方が美味しいものと、きちんと熟成してから飲む方が美味しいものがあります。
自宅でホームローストをする場合(手網や簡易な焙煎機)などは比較的早く飲んでしまってもいいと思いますが、大型の焙煎機できちんと焙煎したものは3日~10日の間は熟成させたほうが美味しくなります。ですが、我々は比較的早いタイミングでコーヒーを抽出してティスティング・カッピングを行います。
ティスティングとは、ご家庭で淹れるようにペーパーフィルターを使用し、コーヒーメーカーを使って抽出したコーヒーを、コーヒーカップに注ぎ鑑定を行っていきます。これは、お客様が飲む際の味わいにより近づくためのアプローチです。再現可能な抽出にすることと、わかりやすい基準をもつことで、販売後でのご質問などに答えるためと考えています。
カッピングは、SCAAのカッピングプロトコルに従い、粉砕した豆10gにお湯150ccを加え、カッピングスプーンを使用して鑑定を行います。プロの鑑定同様の方法では、何かネガティブ(欠点の味わいなど)がないか?を検査していきます。
また、ティスティング用に抽出する際は、TDSというコーヒーの抽出液の濃度を確認していきます。
同じレシピで淹れるコーヒーの抽出液濃度がちがうことで、焙煎へのフィードバックや、原料調達へのヒントにしていきます。


コーヒーは、生豆、焙煎、抽出という
3つの工程をへて完成へと向かう
これらの感応的なテストは、参加するスタッフ皆で行い、それぞれクロップスターのカッピングフォームに記入して保管していきます。出来るだけ多くのスタッフで味わいを記入することで、情報を共有しスタッフ自身のティスティング技術の向上にも役立ちます。同時に、クロップスターに参加共有しているスタッフは過去のカップ記録、焙煎記録等をもとに、お客様と情報をシェアすることができます。
サンプルコーヒーの抽出には、中挽きにした20gのコーヒー豆に、300ccのお湯を注ぎ入れます。温度は95℃にすることで、良い部分も悪い部分も抽出してティスティングしていきます。サンプルのレシピを一緒にすることで、何が違うのかを判別する基準にしていき、品質が出来るだけぶれないようにフィードバックを行います。
また、高温70℃~60℃、中温50℃前後、低温30℃前後の3つの温度違いでティスティングを行うことで、実際に抽出するさいには、細かく粉砕したほうがいいのか?荒目に粉砕したほうがいいか?どのような器具で、どのようなレシピにしたほうが美味しく淹れるかを考えていきます。
そうすることで、コーヒーは、生豆、焙煎、抽出という3つの工程をへて完成へと向かうと思うからです。原材料が非常に良くても、焙煎を失敗すると美味しくなくなります。また、焙煎が良くても抽出に失敗すると、これも美味しい要因になりにくくなるでしょう。つまり、原材料、焙煎、抽出はバランス良くセットで考えていかないといけないと我々は考えます。

